ぼくのしゅうしかてい
私の修士課程におけるポエムを綴ります。多少見苦しい内容になりますが、それでも大丈夫な方のみ閲覧ください。
ご挨拶
2022年、あけましておめでとうございます。junprogです。
うまくいけば2か月後に修士課程を修了する予定ですので、このタイミングで私の修士課程を振り返ってみようと思います。
もくじ
- EP0:私のこと
- EP1:修士課程のはじまり(M1:4月~7月)
- EP2:楽しかった夏休み(M1:8月~9月)
- EP3:就職活動(M1:10月~3月)
- EP4:闇落ち(M2:4月~9月)
- EP5:悪あがき(M2:10月~1月)
EP0:私のこと
私大の理系大学院生です。
大学院に進学した理由は、「純粋に画像認識が楽しかった」のと「進学当初(←ここ重要)研究活動が楽しいと思えた」からです。 学費は両親に払っていただいているため、苦なく研究活動に勤しむことができる身であります。本当に家族には厚く感謝を申し上げます。
所属する研究室では、ディープラーニングを扱った画像認識を軸としたテーマに従事しています。研究室の雰囲気は、ゴリゴリに厳しい環境とは真逆の「自主性を重んじる(サボろうと思えばいくらでもサボれる)」という言葉がピッタリな研究室です。
EP1:修士課程のはじまり(M1:4月~7月)
学部時代において研究時間も知識も未熟だった私が、修士課程にいけばもっと進化できるし、もっとハイレベルな研究ができる!と意気込んで、修士課程のスタートラインを踏み出しました。
学会発表と研究テーマの大幅な変更があったため、原稿執筆や新しい研究テーマの関連研究調査等をせっせと頑張っていました。コンピュータビジョン関係の関連研究論文を読み漁っていた時間は非常に楽しかった思い出です。
この時期に日本でも新型コロナウイルスが蔓延し始めたので、大学での活動の全てがオンラインになりました。
私の所属する研究室では、一人一台コンシューマ向けのGPUが取り付けられたディープラーニング用マシンが渡されます。このマシンを家からリモートで使うべく、sshの設定をするために数日だけ研究室へ赴いていました。
新しいモノ好きな私は、新しい領域の研究分野の調査やsshサーバ構築など、全てが新鮮だったので夢中になって取り組んでいました。他にも、研究室のサーバ運用(HP管理、ファイルサーバ構築、などなど)も任されていたので、それら込みで楽しかったなあ…という思い出です。
この期間を総括すると、希望に満ち溢れた修士課程のはじまりを歩み出したのでした。
EP2:楽しかった夏休み(M1:8月~9月)
修士課程における最初の夏休みの到来です。
有意義な時間を過ごそうと決意し、勇気を出して東大の松尾先生の研究室主催のセミナー(深層生成モデル)に参加させて頂きました。これがめちゃくちゃ楽しかったです。
加えて、学部時代に所属していた同じサークルの院生の先輩と同期がいました。2人とも研究でディープラーニングを扱っていたので、意気投合し、ディープラーニングを扱った簡単なアプリを作ろう!という計画をたてていました。
アプリなど全く作った経験の無かった私たちなので、どんなプラットフォームがいいのか、どういう開発の手順を踏めば良いのか、よくわかっていませんでしたが、これも楽しくワイワイ開発していました。恥ずかしながら、以下のリンクに成果を乗っけておきます。
- 人のカウントアプリ
- 植物観察アプリ
研究室の研究活動の方も、毎週の論文調査や進捗報告も大変ながらこなしていました。
ステイホームしながら楽しく充実した夏休みを送ることができていたと思います。
EP3:就職活動(M1:10月~3月)
研究は楽しいながらも、自分には研究者として生きていく覚悟はありませんでした。そのため、修士卒として企業へ就職することを考えていました。新卒一括採用の括りでの就職活動のはじまりです。
色々悩み、大変なこともありましたが、最終的に内定を頂けました。コロナもあったので、就活はどうなることやらと思っていたので、本当に良かったです。
研究室の研究活動においては、就活に専念するのであれば多少甘く見てくれるような雰囲気がありましたので、その雰囲気に甘えて1ミリ程度の進捗しか生み出していませんでした。
というか、世の修士卒の学生は研究しながら就活もしなければならないので、本当に大変だと思います。私は、緩く温い環境に甘えてしまっているのだなとつくづく感じます。
就職活動もあり、研究活動とはだいぶ疎遠な期間が続いていたように思えます。
EP4:闇落ち(M2:4月~9月)
就職活動も無事おわり、画像認識コンペに参加しました。これは、上位に滑り込むことが出来たしめちゃくちゃ楽しかった思い出です。
さて。ここから新規性と有用性を有する修士論文のための研究活動のはじまりです。がんばるぞー!
…
ここがダメでした。
全く成果が出ませんでした。
成果が出ない焦燥感とネガティブな思考から、思いついたアイデアも実験をする前に上手くいくわけないと決めつけて結果すら出せない状況が続きました。
ミーティングはお通夜のような雰囲気で、先生たちの言葉を真摯に受けとめようとしても私の脳が理解を拒んでいました。
家に帰って関連研究の調査をたくさんしようとしても、文章が読めませんでした。風呂に入って寝床について目を瞑っても、眠りにつくことが出来ませんでした。5日間くらいシャワーも浴びず、ご飯も家にあったお菓子だけ食べていました。
まるまる1週間、研究のことはすべて投げ出して散歩したりインターネットから乖離した生活をしてみましたが、ダメでした。
私は鬱病だったと思います(お医者さんから診断を受けたわけではないですが)。
私の人生は鬱病とは縁が無いだろうと思って生きていましたが、こんな些細なことで人間ってダメになるものなのですね…(笑)
今思い起こすと、研究の成果が出なかっただけで鬱病になったのではなく、1人でずっと悩み続けていたせいで人間とのコミュニケーションがほぼゼロであったり、こんなに頑張っている(客観的に見たら頑張っていないのかも…)のになんで成果が出ないんだという苛立ちなど、様々な要因が運悪く重なってしまったため鬱病を引き起こしたのかなと感じます。
現在(2022/1月)はもう鬱病の症状は無いので、克服しています。
ここから現在どうやって鬱病を克服したのかというと以下の3つが挙げられます。
- サークルの同期とオンライン飲み会しまくった。
- 新しい趣味を見つけた。
- 上手くいくわけないと決めつけて実験していなかったアイデアが上手くいった。
1つ目に関しては、研究のことを思い浮かべる必要のない会話が出来る友人と会話をしたいと思い、仲の良いサークルの同期や後輩(社会人)とたくさん話したり、ウォッチパーティしたり、お酒を飲んだりしました。みんな大変な中、楽しそうにやってる姿を見れて元気をもらえました。
2つ目に関しては、TRPG・マダミスというゲームをインターネットで知り合った方々とやり始めました。これは、人間との会話があって成り立つゲームなので、当時の私にとって本当に救いとなりました。
3つ目に関しては、ただラッキーだったと思います。
そんなこんなで、鬱病にかかって、色々あって治りました。
EP5:悪あがき(M2:10月~1月)
鬱病のときの失敗をしっかり振り返って、とりあえずやってみるをモットーにひらすら実験しました。
それなりの結果が出たので、学会発表など最後の悪あがきを色々しました。
M1のはじめ、研究に対するモチベーションで満ちあふれていましたが、一時期ほぼゼロになりました。
ただ、今はまたそのときのモチベーションを取り戻しつつあります。
コロナによるオフライン規制も明けて、研究室の後輩との楽しい会話も鬱病を晴らしてくれた良いきっかけだと思います。
おわりに
もうすぐ修士課程が終わります(上手くいけば)。これは私の人生において学生生活の終わりの意味を指すので、このような形で最後の学生生活を終えてしまうと思うと辛いです。
ただ、良い経験であったとも思います。
これから修士課程に進もうとしている方がいたら、今一度立ち止まって、自分は本当に修士課程に行っても良い人間なのかと問いただしてみてはいかがでしょうか。
本当にファイナル最後に
最新の論文について、すげー!やべー!と言い合い、切磋琢磨できる研究室の同期が欲しかった!!!!自主性を重んじる研究室には気を付けろ!!!!